院長コラム 大腸がんの発見方法
大腸がんの発見方法
大腸がんを発見する方法は次のものがあります。
✓大腸内視鏡
✓便潜血検査
✓バリウム
✓CT大腸鏡(コロノグラフィー)
✓大腸カプセル内視鏡
それぞれ長所・短所があります。
大腸がんの発見には、大腸内視鏡と便潜血検査を適切に組み合わせるのがベストです。
1. 大腸内視鏡は何が素晴らしいか
大腸がんの検査の中で「大腸がんを最も確実に早期発見する」方法は大腸内視鏡です。
また、検査の際に大腸ポリープ(早期大腸がんを含む)を切除して「治療することができる」のも大腸内視鏡のみです。
さらに、「大腸がんを予防できる」唯一の検査も大腸内視鏡です。
①スクリーニング大腸内視鏡は大腸がんを予防できるか
大腸内視鏡は、もともとは血便が出た際や便検査で異常がでた際などに、精密検査として行われていました。
近年では、米国を中心に、「スクリーニング大腸内視鏡」(=無症状の人が健診目的で大腸内視鏡を受けること)が行われています。
「スクリーニング大腸内視鏡」については、1回でも受ければ、大腸がんを半数近くを予防し、大腸がんでなくなる方を3分の1に減らす効果があることが証明されています。
以下に2013年にDr. Nishiharaら1によって米国より New England Journal of Medicine に報告された大規模な研究効果を示します。
スクリーニング大腸内視鏡は受けるべきなのです。
「大腸がんになってしまう人」は、スクリーニング大腸内視鏡を受けていない人に比べ、スクリーニング大腸内視鏡を受けた人でポリープがなかった人は0.44倍と少なく、スクリーニング大腸内視鏡を受けた人でポリープを切除した人も0.57倍と少ないという結果がでています1。
「大腸がんで亡くなってしまう人」は、スクリーニング大腸内視鏡を受けていない人に比べ、スクリーニング大腸内視鏡を受けた人は0.32倍と少なかったと報告されています1。
文献
- Nishihara R, Wu K, Lochhead P, et al. Long-term colorectal-cancer incidence and mortality after lower endoscopy. New England Journal of Medicine. 2013;369(12):1095-1105.