胃がんや大腸がんになる要因は複数ありますが、実は生活習慣を改善するだけでも予防につながります。
日本人のがん羅患数のうち、死亡にいたる数が多いのは肺がんに次いで「胃がん」と「大腸がん」という統計が出ています。
胃がんや大腸がんになる要因は複数ありますが、実は生活習慣を改善するだけでも予防につながります。「当たり前のこと」と思われたでしょう。しかし、忙しさにかまけて食生活や睡眠が乱れている方が多いのです。
今回は、遺伝的素因とは異なり、自身で改善が可能な「胃と腸にやさしい生活習慣」をお伝えします。
胃と大腸に負担をかけている
原因は?
胃がんの要因としては、塩分の高い食事や、野菜・果物の摂取不足があげられます。
大腸がんの要因としては、肉食、肥満、飲酒・喫煙などがあげられます。これらは胃と腸に負担をかけるものなので、普段から胃腸の調子がよくない方にもおすすめしたい改善方法です。
食生活から改善できること
食事は毎日行う活動です。日頃から正しい食生活に気をつけることができれば、それだけ健康に近づけることでしょう。
逆に日々の食生活が乱れていると、胃腸への負担は増えるばかりです。暴飲暴食をせず、刺激の強いものは食べ過ぎない。そして規則正しい時間に食事をとることが重要です。
胃腸にやさしい
食事のとり方について
規則正しい時間に食べる
おなかをいたわってあげるならば、まずは規則正しい時間に食事をすることです。たとえば、食べた後にすぐ寝てしまうのは胃腸に負担をかけてしまいます。
少なくとも、就寝前3時間くらいには食事を終わらせましょう。また、夜遅くの食事は胃の粘膜を傷つけます。
食事が夜遅くになってしまう場合は、消化にやさしいものを食べるとよいですね。
量を食べ過ぎない
食べる量を少し減らすとおなかへの負担が減ります。いわゆる腹八分目がちょうどいいのです。
いつもはご飯大盛りにしているけど、普通盛りの日や、ご飯少なめの日を作ってみても良いのではないでしょうか。
質を気にしよう
食べる量だけでなく、食べるものの質についても気にしましょう。刺激の強い食べ物は特に注意が必要です。
それでは、胃腸にやさしくないもの、やさしいものを紹介します。
胃腸に優しくないもの
胃腸にやさしくないものを列挙すると、油・肉・辛・甘・塩・酒があげられます。どれも疲れているときは特に食べたくなる魅力的なものばかりですが、食べ過ぎずほどほどにしたいですね。
油
脂っこいものの食べ過ぎには気を付けましょう。揚げ物やラーメンは美味しいですが、ほどほどにしましょう。
肉
肉食は大腸がんの原因の1つです。牛肉や豚肉、加工肉の摂り過ぎは控えましょう。 お肉では特に牛の霜降り肉は食べ過ぎないでください。
辛
唐辛子など、香辛料などの刺激が強い食材が豊富に含まれる食事はほどほどにしてください。
甘
実は甘い食べ物も胃腸に負担をかけます。チョコやケーキ、あんこなどの甘いものも食べ過ぎないようにしてください。
塩
塩分の高い食事は胃がんの原因の1つです。塩分の摂り過ぎは要注意です。お弁当や定食についてくるお漬物など、無理して食べる必要はないかもしれません。
酒
飲酒も大腸がんの原因の1つです。アルコールは血管を拡張し、炎症反応を強めるのでほどほどにしてください。
胃腸にやさしい食べ物
胃腸にやさしい食べ物は、いわゆる消化に良い食べ物が多いです。油・肉・辛・甘・塩・酒の摂り過ぎで胃が疲れている時は胃腸に優しい食事に切り替えて、胃腸を回復させましょう。
野菜、ヨーグルト
おなかの中をきれいにしてくれます。胃がんの原因の1つに野菜や果物の摂取不足があげられますので、日ごろから野菜を食べるよう心がけましょう。
アルカリ性食品(お酢や梅干し)
お酢や梅干しなどのアルカリ性食品は体内に入るとアルカリ性を示し、胃酸過多の人には優しい食べ物でしょう。
その他消化に良い食べ物
すりおろしリンゴや大根おろしは消化しやすく胃腸にやさしいです。そのほかにも、おかゆ、うどん、煮野菜など、病気になった時に食べる食事は胃腸にやさしい食べ物が多いです。
その他の生活習慣から
改善できること
食生活だけでなく、運動や睡眠などの他の生活習慣の改善も胃と腸にとって重要です。急に無理な運動をすることは難しいこともあると思います。無理のない範囲で、できることから取り組んでみてください。
適度な運動
健康診断を受けたことがある人は、「適度な運動をしてください」とお医者さんに言われたことがあるのではないでしょうか。
肥満は多くの病気の原因ですが、大腸がんの原因の1つでもあります。肥満を解消するためにも、ウォーキングなど適度な運動を心がけてください。また、ウォーキングの振動は胃腸にも良い刺激になり、便秘解消や消化の働きがよくなったりします。
しっかり睡眠をとる
忙しい人にとって睡眠時間を確保するのは難しいかもしれませんが、身体を休めることはとても重要です。寝る前に食事を摂ると、睡眠中に胃腸が消化活動をするため身体が休まりません。食生活の項目でも述べましたが、食事は睡眠の少なくとも3時間前には終わらせましょう。
嗜好品、薬について
アルコールだけでなく、喫煙の習慣も大腸がんの原因の1つです。タバコは肺がんの原因でもありますので、禁煙が望ましいでしょう。
せめて、本数を減らしてみてはいかがでしょうか。 痛み止めの薬の中には胃に負担をかけるものもありますので、胃が弱い方は医師に相談してから服用してください。
症状が改善されなかったら
いかがでしたか。当たり前のこと過ぎてびっくりされたかもしれません。 紹介した全てを実践することは難しいと思います。「健康マニア」ならば楽しんでできることですが、そうでない方は過度な節制をしてしまうと人生がつまらなくなってしまいますよね。無理せずできることから、コツコツと良い生活習慣を身につけてください。
胃腸の調子が改善せず、腹痛や下痢、便秘などの症状が続く場合は、内視鏡検査をして診断を受けることをお勧めいたします。