便秘

便秘 Constipation

便秘について
(何日も出ていない方は要注意!)

便秘とは、毎日連続して排便がない、便が出しづらい(排便困難)、排便はあるが完全に排出された感じがしない(残便感)、便がたまって腹痛があるなどの状態を指します。慢性便秘は、便秘が3か月以上慢性的に続くことをさします。
便秘は、食生活、運動不足、加齢、などによって引き起こされることもありますが、何らかの病気の症状として現れることもあります。 便秘と自己判断して市販薬で症状を抑えるのではなく、消化器科などの専門医にご相談ください。

便秘の種類

日本消化器病学会の「慢性便秘症診療ガイドライン2017」では、便秘を「本来体外に排出されるべき便が、快適かつ十分な量排出されない状態」と定義しています。その状態が持続し、「日常生活に支障をきたす」場合に慢性便秘と診断されます。便秘は一般的に女性に多く見られますが、男性も便秘に悩まされることが多く、年齢とともに消化管の機能が低下するため、便秘が増える傾向にあります。
便秘の要因は様々ですが、消化管の機能障害によって起こる機能性便秘と、消化管の疾患によって起こる器質性便秘に大別されます。

機能性便秘

機能性便秘は、蠕動運動などの消化管の運動機能や感覚機能の障害によって引き起こされます。脳と消化管は密接に連絡を取り合いながら機能しており、この連絡を司っているのが自律神経です。そのため、ストレスなども便秘と関連性が高いとされます。高齢者の便秘は老年症候群の一つです。

器質性便秘

例えば、進行大腸がんによる腸閉塞などの疾患が原因で便秘になることがあります。これを器質性便秘と呼びます。大腸過長症、S状結腸憩室による大腸の狭窄や癒着、特に女性では、腹膜子宮内膜症による直腸・S状結腸の癒着、子宮筋腫、卵巣のう腫が便秘の原因となることもあります。特定の原因疾患を見つけ、速やかに治療することが重要です。

症候性便秘

糖尿病、甲状腺機能低下症、パーキンソン病などの全身疾患や内分泌疾患、神経疾患が原因で便秘が発生することがあります。

薬剤性便秘

抗コリン薬や抗うつ薬は、腸の機能を低下させ、それにより便秘を引き起こす可能性があります。また、頻尿やパーキンソン病の治療薬は便秘の主な原因であり、これらの薬による便秘は薬剤性便秘と呼ばれます。特に高齢者におきることが多いです。

便秘の症状で注意したい
消化器疾患

進行大腸がんによる腸閉塞、憩室や子宮内膜症による大腸癒着・狭窄、大腸過長症、過敏性腸症候群などが便秘を引き起こす場合があります。例えば、クローン病や潰瘍性大腸炎では下痢が主な症状ですが、便秘も発生することがあります進行大腸がんの場合、肛門に近いS状結腸や直腸にがんが存在すると便秘が生じることがあります。そのため、突然便秘になった場合は早めに受診することをお勧めします。
便秘が長引くと、腸内に便が溜まったり、腸内細菌に悪影響が出たりと様々な弊害が生じます。便秘が続く場合は、思わぬ疾患の可能性も考えられます。そのため、市販の薬で症状を抑えることはせず、消化器内科を受診することが重要です。

便秘の検査・治療方法

便秘は患者様の生活習慣などと密接に関連しています。そのため、問診では便通の状態や回数、持病、服薬歴などについて詳しくお尋ねします。便の状態についてお話いただくことは診断の一助となりますので、どうぞためらわずにお話ください。
検査では、感染症や消化器・内分泌疾患の有無を調べるために血液検査をはじめ、症状に応じて腹部超音波検査や大腸カメラ検査などを実施します。大腸が最も問題の多い部位であるため、大腸カメラ検査は大腸全体の疾患や異常を詳細に観察できる非常に有益な検査法です。疑わしい病変が見つかれば、それを採取して顕微鏡診断を行うことができます。 これらの検査を通じて、便秘の原因疾患や機能性便秘の有無を判断し、それに基づいた適切な治療を行います。

大腸カメラ検査について

便秘が続くときは早めにご相談を

便秘は長く続くと次第に悪化し、最終的には日常生活に支障をきたすようになります。また、便が腸内に長くとどまると、腸だけでなく全身に悪影響を及ぼします。そのため、便秘が長く続く場合は、早めに医師に相談することで、悪影響が出る前に適切に制御することが可能です。また、器質性便秘には何らかの疾患が隠れていることもあります。便秘でお悩みの方は、早めに消化器内科を受診してください。

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