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大腸がんの発見には
内視鏡と便潜血の
セットがベスト
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大腸がんの発見には内視鏡と
便検査を組み合わせるのがベスト

大腸がんの検査法には内視鏡、便潜血検査、バリウム検査、CTなどがありますが、その中で、内視鏡と便潜血が良いといわれております。 その二つの方法でがんを見つける確率を調べたところほぼ同等の結果が出ました。この結果はNEJMという最も評価の高い医学研究誌に掲載されました。但し、便潜血検査は早期がんの発見率は低く、まして、前がん病変である良性腫瘍(腺腫)を発見することは困難です。

FOBTは大腸がんになっても命が助かればよいという人には適切な検査かもしれませんが、大腸がんを内視鏡で治療できるほど早期に発見したり、大腸がんを積極的に予防したいという人には不十分な検査です。内視鏡は大腸がんを早期に発見することができ、また、腺腫の切除により大腸がんの予防が可能です。

大腸内視鏡も決して見逃しのない検査ではありません。肝、脾湾曲部やS状結腸、直腸はよくある見逃しの部位です。この内視鏡の欠点を補うのが便潜血検査だと思います。

毎年内視鏡をやるのは大変ですので、内視鏡をやらない年に便潜血検査をしていくのが宜しいでしょう。

大腸がんはポリープから発生

大腸がんの発生形式は3通り考えられております。
この中で最も一般的な大腸がんの発生形式は1です。

  1. 腺腫ができそれががん化する
  2. いきなりがんができてくる
  3. 過形成性ポリープからがんができてくる

1. Adenoma-carcinoma sequence

Adenomaは大腸にできる良性の腫瘍で、多くはポリープとして発見されます。当院のデータでは30歳代は30%、40歳代は40%というイメージで、年々増加してきます。
この腺腫にさらに遺伝子が傷つきがんが発生してくるという説です。ほとんどの大腸がんがこの発生形式だと考えております。大腸腺腫を切除することで大腸がんが予防できることが分かっており、この説を有力に支持する結果です。

2. De novo

De novoは大腸がんが腺腫を経ずいきなりがんができる発生方式を示します。小さながんでも悪性度が高いことがあります。頻度は高くないと考えます。

3. SSA/P pathway

大腸ポリープには腺腫以外によく見かけるのが過形成性ポリープです。過形成性ポリープはがん化しないと考えられてきましたが、SSA/Pと呼ばれる一部の過形成性ポリープががん化する発生方式が提唱されています。多くはないのでしょうが、実際当院においても過形成性ポリープ内にがんが見つかった症例を経験しております。

大腸ポリープを切除すると
大腸がんは予防できる

大腸がんで死なないためには
大腸ポリープの切除が有効

1993年にNEJMに大腸腺腫性ポリープを切除するとがんの発生が減少し、予防することができると発表されました。大腸腺腫が大腸がんの前がん病変と考えられていましたので、そのことが妥当だと証明されたのです。 もちろん、すべての大腸がんを予防することはできませんでした。9割の大腸がんを予防することができたのですが。この予防できなかったがんに内視鏡の際の見逃しがん、de novoがん、SSA/Pからのがんが考えられます。

また、その後約20年が経ち、2012年に大腸腺腫性ポリープを切除するとなくなる方を減らせたと同じNEJMに発表されました。大腸腺腫を切除することは大腸がんを予防するだけではなく、命も救うという結果が出たのです。 大腸がんを受けて腺腫性ポリープを見逃しなく発見し、それを切除するということが大変大切なことであるのです。

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